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鈴木 和彦*; 亀山 嘉正*; 佐山 隼敏*; 渡邉 憲夫; 及川 哲邦; 阿部 清治
システムと制御, 30(2), p.109 - 119, 1986/00
本報では、フォールト・ツリー作成のために開発した基本アルゴリズムを紹介する。併せて、同アルゴリズムをリレーコイルや接点などから構成されるシーケンス制御回路のフォールト・ツリー作成に適用し、その有用性を示す。同アルゴリズムは、信頼性ブロック線図を基礎とし、故障モードブロック線図を作成するものである。この線図には、システムを構成する要素における入出力の関係や故障の種類などが記述される。したがって、同アルゴリズムの特徴は、フォールト・ツリー作成に際し、(1)全ての構成要素の故障状態を明確に記述できる、(2)システムのフローシートとの照合が容易で、一義的なツリー作成が可能である、(3)フォールト・ツリー作成時の思考過程を把握でき、作成したフォールト・ツリーの見直しや検討に有用な情報を与える、ことである。
渡邉 憲夫
JAERI-M 82-060, 108 Pages, 1982/06
フォールト・ツリー解析は、原子力プラントの確率論的安全性評価に用いられている手法である。本報告書は、BWR炉心スプレー系を対象にフォールト・ツリー解析を行ない、この解析手法の有効性を確かめたものである。解析の結果、算出したシステム・アンアベイラビリティは、1.210/demandであり、このシステム機能喪失に最も支配的寄与を及ぼすのは、原子炉容器内圧力検出計の「較正ミス」及び注入用電動弁であることが判明した。したがって、今回入手した情報の範囲内で考え得る改善案として、4つの原子炉容器内圧力検出計間の従属性を小さくすること、及び、注入用電動弁に冗長性を持たせること、が挙げられる。このように本解析手法で定性的、定量的にシステム解析を行なうことの有用性を確かめられた。更に詳細な解析を進めるには、保守点検手順書や各動的機器の制御回路に関する情報及び機器の故障率データが必要である。